9.13.2007

懐かしき山盛りのラーメン

先日体重計に乗ったら、過去最大の数値を示していた。これはまずいと思って数日の間意識的に体を動かすようにしていた矢先の出来事である。

夜、池袋で用事を済ませ、さてどうしようかと思いながら街をぶらつきだすと、学生の頃に幾度となく足を運び、社会人になってからも最低数年に一度は顔を出しているラーメンチェーン店の看板を見かけてしまった。ほぼ反射的に、入店を待つ人の行列へ向かい、その一員となる。

しかし私はダイエット中の身であり、更に言うと、その時点で腹を空かせている訳でもなかったのだ。ここのラーメンは量が尋常ではないことで良く知られている。ここはひとつ、ラーメンを諦めて家に帰るべきかとも考えたが、その時点で私の後ろにも既に数人並んでいるという人気っぷりにも押され、なんとなく躊躇しながらも並び続けることにした。

この店は量と共に、注文の仕方が特殊であることでも有名だ。大盛りやチャーシューの数を増やすというチョイスは有料で行われるが、それ以外にも無料で野菜やニンニクの量、味の加減などを調節してくれる。それらを、ラーメンが運ばれてくる直前に要望するのだが、並びながら先に座っているお客さんを眺めていると、無料オーダーのやり方が私の覚えているやり方と若干違っていることに気付いた。

これは池袋店だけの話なのかもしれないのだが、私の知る限りでは、例えば野菜を増やして欲しい場合は「野菜」とか「野菜増し」と言えば良かった。しかしここでは「野菜増し増し」と要望するお客さんが多かった。そうして運ばれてくるラーメンに乗っかった野菜は、以前私が「野菜」とだけ注文して出されたものに乗っかっていた野菜の量と同じ、剣山のように盛り上がった異常な量のそれであった。また、従来私がやっていたように「野菜」とだけオーダーする人もいたので、その人に運ばれてくるラーメンを注目して見たが、「野菜増し増し」とは明らかに違う、常識的なトッピング量のものだったのだ。

そんな観察をしながらも私が席に座る番になり、程なくしてトッピングの具合を聞かれた。私はまたしても反射的に、今覚えたばかりの「野菜増し増し、辛め」などという呪文を唱えていた。スープの上に富士山の如く盛り付けられた野菜が乗っかった一物が目前に届けられた。チャーシューも麺もトッピングの下に埋もれて見つからない。なんとか食べ終えて帰宅し体重計に乗ると、数日前の数値を大きく更新していたことは言うまでもないだろう。